相続の手続きについて③

先日は生命保険の手続きについて書きました。
本日は、有価証券や自動車といった財産の相続手続きについてお伝えしていきたいと思います。


有価証券の相続手続き

株式投資信託などの有価証券をお持ちの方が亡くなった場合も、相続の手続きが必要になります。
銀行や生命保険と異なり、有価証券を引き継ぐ際には 被相続人が利用していた証券口座を相続人が引き継ぐ 形になります。

そのため、相続人が証券口座を持っていない場合は、新たに証券口座を開設する必要があります。


手続きに必要な書類

手続きには、銀行や保険と同様に次のような書類が必要です。

  • 証券会社所定の相続手続き書類
  • 被相続人の除籍謄本
  • 被相続人の出生からの戸籍謄本、または法定相続情報一覧図
  • 相続人の戸籍謄本
  • 引き継ぐ相続人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)

証券会社ごとに必要な書類が異なることがありますので、必ず事前に確認しておきましょう。
特に 法定相続情報一覧図 を作成しておくと、複数の手続きに使えるため大変便利です。


有価証券の管理について

最近はインターネットのみで有価証券を管理している方も多く、紙の通知が届かないケースもあります。
そのため、相続人がその存在に気づかないままになってしまうこともあります。

証券会社から送られてくる書類や、ログイン情報などは分かりやすく整理しておくことが大切です。
遺品整理の際に初めて証券関係の書類が見つかる、ということも少なくありませんので注意しましょう。


相続時の評価額

有価証券の評価は、基本的には 相続発生日の価格 になります。
ただし、以下の計算方法も認められています。

  • 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
  • 前月の毎日の最終価格の月平均額
  • 前々月の毎日の最終価格の月平均額

このうち 一番低い金額 を基準に計算することが可能です。

また、遺産分割協議のためには銀行や生命保険と同様に 残高証明書 が必要となりますので、手続きを進める際に一緒に取得しておくとスムーズです。


自動車の名義変更手続き

被相続人名義の自動車も相続財産に含まれるため、名義変更手続きが必要になります。

必要書類の一例は以下の通りです。

  • 車検証
  • 遺産分割協議書
  • 被相続人の除籍謄本または法定相続情報一覧図
  • 新所有者の印鑑登録証明書
  • 実印

その他の書類が必要になるケースもありますので、事前に運輸支局やディーラーへ確認しておくと安心です。


まとめ

今回は 有価証券自動車 の相続手続きについてご紹介しました。
相続財産には、預金や保険以外にもさまざまなものがあります。
特にインターネットで完結するサービスは、相続人が気づかないことも多いため、財産の所在を分かりやすくしておくことが大切です。

行政書士はら事務所では、相続手続き全般のサポートを行っております。
特に 法定相続情報一覧図今後ますます有効に活用される書類ですので、作成のご相談もお気軽にお問い合わせください。

次回も相続に関する情報をお届けします。
最後までお読みいただきありがとうございました