相続の手続きについて 再転相続 数次相続編

前回は限定承認について書きました
前回のブログ 相続の手続きについて 限定承認編

本日は 「再転相続」と「数次相続」 についてお話ししたいと思います。


■ 再転相続とは?

再転相続とは、相続が発生して 相続人が単純承認・限定承認・相続放棄の判断をする前に、その相続人自身が亡くなってしまうケースをいいます。

この場合、最初に亡くなった方を一次相続の被相続人、次に亡くなった相続人を二次相続の被相続人と呼びます。

再転相続では、二次相続人(再転相続人)が 一次相続と二次相続を同時に承継すること になります。

なお、再転相続における熟慮期間(単純承認・限定承認・相続放棄の判断期間)は、再転相続人が自分が相続人となったことを知ったときから3カ月以内です。


■ 数次相続とは?

数次相続とは、一次相続が発生した後、遺産分割協議が終わる前に相続人の一人が亡くなり、新たな相続(二次相続)が発生することを指します。

こちらも「一次相続」と「二次相続」という表現を用いますが、再転相続との大きな違いは、相続人が既に単純承認している点です。

そのため、数次相続における二次相続人は、一次相続に対して相続放棄ができないことになります。


■ 前回ご紹介した「代襲相続」との違いは?

代襲相続のブログ 相続の手続きについて 代襲相続編

相続放棄のブログ 相続の手続きについて 相続放棄編

代襲相続、再転相続、数次相続――いずれも複数の相続が関係するケースですが、違いは「相続人がいつ亡くなったかにあります。

区分相続人が亡くなるタイミング相続放棄の可否
代襲相続被相続人が亡くなるに相続人が死亡代襲相続人が放棄可能
再転相続相続発生後、熟慮期間中に相続人が死亡再転相続人が放棄可能(3カ月以内)
数次相続遺産分割協議中に相続人が死亡二次相続人は放棄不可(既に単純承認済み)

■ 遺産分割協議はどうなる?

再転相続や数次相続が発生した場合、遺産分割協議は一次相続と二次相続で分けて作成することが一般的です。

また、一次相続の相続人が亡くなっているため、その相続人の相続人(二次相続人)が代わりに協議に参加することになります。

その際の立場は相続人兼被相続人の相続人といった形になります。

遺産分割協議相続人全員が揃っていないと無効になるため、再転相続や数次相続が発生した場合には、速やかに相続人を確認することが大切です。


■ まとめ

本日は「再転相続」「数次相続」についてご説明しました。

どちらもよくあるケースであり、
相続手続きが順調に進んでいたにもかかわらず、相続人が亡くなったことで手続きが複雑化し、遺産分割が滞ることもあります。

スムーズな相続手続きを行うためにも、相続人の確認財産の把握はできるだけ早めに行いましょう。


行政書士はら事務所では、
相続人の調査や財産の確認の手続きについてもサポートしております。

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次回も相続に関する内容をわかりやすくお伝えしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。